「チップと椅子さえあれば勝負できる」

2025年3月、Marco Dickner選手が今年初のVegas Dream 2025パッケージを手にしました👏

Dickner選手は、カナダ限定で行われたサテライトを見事勝ち抜き、KKエリートチーム2025入りが決定。$12,000のライブポーカーパッケージを獲得しました。

わずか$20からこの栄光をつかんだDickner選手。「ラスベガスでは楽しむこと、そしてリスクマネジメントをしっかり行うことを意識したい」と語っています。

この記事では、Marco Dickner選手の体験談をお届けします。初参戦から10年の時を経て、再び世界最大のライブポーカーシリーズへ。そして、今年最も注目を集めたライブポーカートーナメントのバブルに挑むまでの道のりをたどります。

待ちに待った大舞台へ

ラスベガスでのベガスドリームに挑む直前、Dickner選手に目標を聞きました。
「メインイベントでインマネするのが夢です！バケットリストにも入っていますからね」

カナダ出身のレクリエーショナルプレイヤーであるDickner選手は、この時知る由もありませんでした。これから自らの目標に向かって、予想もしない展開の中を歩むことになり、しかもその姿がポーカーメディアの脚光を浴びることになるとは…

モントリオールを出発したDickner選手に、飛行機の中で思わぬ出会いがあったとか。同行していたパートナーのRachelさんとともに13列目の座席に座ると、隣には同じくVegas Dreamへと向かうChristopher Alcindorプロが！KKエリートチームの仲間だと気づいたChrisプロから声をかけられたそうです。

その後、KKPoker主催のディナーでは、他のVegas Dream優勝者たちと共にステーキを堪能。そして休養日を挟み、Dickner選手はいよいよメインイベントDay 1Cに臨みます！

Day1は激動の展開！

リスクマネジメントを本業とするDickner選手は、攻めと守りを使い分ける術を熟知しており、このスキルが大きな力となります。

メインイベントでは全員に60,000のスタートスタックが与えられ、2時間という長いブラインドレベルで進行します。Day1で求められるのは、この環境に順応し、チップを積み上げ、そしてDay 2への切符を手にすることです。

10時間のプレイのうち6時間を終えた時点で、Dickner選手はスタックを100,000に伸ばします。ところがレポートの誤記で「1,000,000」と表示されてしまい、友人たちから「どういうこと？！」と驚きのメッセージが殺到する一幕も。

「WSOPアプリでは、自分がトーナメントのチップリーダーとして表示されていたんです。トップってことですね。それでアプリで追ってくれていた人たちからメッセージが殺到して、大騒ぎに…でも実は誤記で、持っていたのは100Kだけでした。友達には『リバーでストレートフラッシュを引いて8人のオールインを制したんだ』なんて冗談を飛ばしました（笑）」

Dickner選手はチップを減らす局面を経験しながらも、最高で130Kに到達。最終的には90Kを持ち越し、Day 2へは開始時から50％増しのスタックで進むことになります。

対戦相手には、名だたるプロが少なくとも3人。その中には、わずか数日前に$10,000 PLO Omaha 8 or Betterで優勝し、$763,000とブレスレットを獲得したイギリスのPhilip Sternheimer選手の姿もありました。そんな状況を考えれば、90Kで終えたのは十分に健闘したと言えるでしょう。

クワッズエース

さらに10時間のプレイが続くスケジュールの中、Dickner選手はパートナーのRachelさんに支えられていました。Rachelさんは後に、トーナメントの行方を左右する重要な情報を彼に伝えることになります。

Dickner選手のDay 2注目のハンド

「ポケットエースを手にして、きた！と思ったら、ボードにも残りの2枚のエースが出てクワッズになったんです！強力なハンドでしたが、相手からのアクションが少なくて、それほど大きな利益にはなりませんでした。それでも、もちろん勝ちは勝ち！」

「手元にはダイヤのQ-9。ボードは10xK♥2♠で、3人での勝負。ターンでJが落ち、待望のストレート！ここで大きくベットしたら、1人はフォールド、もう1人は10分も考えた末にK-J（ツーペア）でコールしてきました。この時点では完全に勝っていたと思っていました。それが、リバーにKが落ちて、相手の勝ち。確率にして12分の1の逆転で180Kのポットを失ったんです。しかも後で知ったんですが、降りたもう1人は10のセットをフォールドしていたらしくて驚きましたよ！」

「最後の1時間で、プリフロップのオールイン勝負に勝ったんです。ハンドはK-K、相手はA-J。スタックは100Kから162Kに増えて、平均の175Kには届きませんでしたが、まだ追走グループに食らいついていました」

「Day 2のベストモーメントといえば、Alexandra Strelinskiの曲を聴きながら、クラブのA-Qを手にしていたら、ターンとリバーでナッツフラッシュ完成した時ですね。天上の音楽に、神がかったハンド。スタックも増えて、一瞬だけ天国にいる気分になりました（笑）」

ギリギリで生き残る

ポーカートーナメントは過酷で、流れが一瞬で変わることもあります。Dickner選手も例外ではなく、スタックはわずか25K、約4BBにまで減ってします。マネーバブルを迎えるDay 4に、この苦しい状況で臨むこととなりました。

とはいえDay 3は印象的な場面も生まれました。2004年メインイベント王者のGreg Raymer選手がDickner選手と同卓。そして同じカナダ出身のDaniel Negreanu選手とも顔を合わせ、記念の一枚を収めることができたのです。

総勢9,735人の巨大フィールドも、残るは1,476人。インマネは1,461位から。Dickner選手にとっては、あと約15人が飛べばキャッシュという状況でした。

そして迎えたDay 4。Dickner選手にとって、生涯忘れることのない一日となりました。

$30,000 PARADISE FLIP

目前に迫ったバブル。それもただのバブルではなく、年間でも最大級。世界で最も権威あるライブポーカーメインイベントでのインマネを目指し、多くのプレイヤーが栄光を追い求めます。

「『チップと椅子さえあれば勝負できる』という有名なポーカーの言葉があります。私は、最後のチップを失う前に15人が飛ぶのを待つ戦略を取りました。つまり、12ハンドを耐え切ればよかったのです」とDickner選手。

「私はどのハンドでも持ち時間をすべて使い、自動的にフォールドされる形を取りました。どんなハンドでもコールするつもりはなく、たとえポケットエースでも同じです。なぜなら1,461位に入れば$15,000が保証されますが、それを逃せば賞金は一切ないからです」

「11ハンドが過ぎ、残りは1,462人。これはまさに映画のワンシーンのような状況でした」とDickner選手は振り返ります。

ポーカールームの緊張感は最高潮。ハンドフォーハンドの進行で、各プレイヤーは1ハンドごとに長い待ち時間を強いられます。ここでDickner選手は席を立ち、重要な情報を得ることになります。

「Rachelに会いに行ったら、彼女がこんなことを教えてくれたんです。バブルとなる1,462位のプレイヤーには特別賞が用意されている、と。それはバハマで行われるWSOP Paradiseへの出場権で、$30,000パッケージのことでした。」

「次のハンドで、わざと負けるつもりでオールインしました。そして本当に負けたんです。テーブルの周りには50人以上のジャーナリストがいて、大きな注目を集めていました。ただ、1,462位を狙っていたのは私だけではありません。残り175卓の中には、同じように“華々しく散る”ことを目指すプレイヤーが何人もいたんです。」

Dickner選手を含む3人が、同じハンドフォーハンドで同時に敗退。これにより、バブル賞の配分を決めるために特別な1ハンドが行われることになったのです。その決着方法はFLIPポーカー1回勝負。勝者は$10,000に加え、バハマで開催されるWSOP Paradiseへの$30,000パッケージを獲得。他の2人は$10,000ずつを受け取る仕組みです。

「私のハンドはポケットナイン。対戦相手のSachin Joshi選手とMatthew Frankland選手の手札は、いわゆるゴミハンドでした」とDickner選手。

「フロップとターンの段階では、私が優勢だったんです。」

「ところがリバーで相手にストレートが入り、私は敗北を喫しました」

Dickner選手はポーカーメディアの大きな注目を浴び、あと1枚で特別賞を獲得するところまで迫りました。結果は惜しくも届きませんでしたが、メインイベントでのインマネという目標をしっかりと達成し、バブル賞金$10,000を獲得しました！

FLIPハンドの模様は、PokerNews提供の映像でぜひご覧ください🎥

最高に楽しい体験！

Marco Dickner選手が振り返るVegas Dream

• 4日間にわたる白熱のポーカー。自身のプレイレベルには大きな手応えを感じています。
• PokerNewsの記事が6本、YouTube動画にも出演。ポーカー界のレジェンドたちと同卓しました！
• 目標どおり、インマネを達成！

終わりに

「何よりも、この旅を通じて支えてくれたRachelに心から感謝します。彼女がいなければ、バブル賞のチャンスを知ることも、ハンドの合間に部屋で食事を取ることも…そのほか多くのこともできなかったと思います」

Vegas Dreamを叶えよう

KKPokerは、Marco Dickner選手がラスベガスで夢を叶える瞬間をサポートできたことを誇りに思います🌈

次のVegas Dreamストーリー、Christopher Alcindorプロの記事はこちらからご覧ください📝

まだまだ続くVegas Dreamストーリーにご期待ください🙌

「自分もDickner選手のように夢を叶えたい！」という方は、KKPokerの最新キャンペーンをぜひチェックしてみてください😉